2段トロコイド歯車減速機の設計製作支援ソフトの概要 TrochoidV7/V7C

2段減速トロコイド歯車減速機の設計製作支援ソフト「TrochoidV7/V7C」は、1段目にインボリュート歯車を、2段目にトロコイド歯車を用いた2段遊星差動減速機の設計製作を支援するソフトウェアです。 今回「TrochoidV6/V6C」をバージョンアップし、「TrochoidV7/V7C」を新発売することになりました。 「TrochoidV7/V7C」では、外部で作成したピニオンとギヤの歯形テキストデータを、減速機中心にピニオン、キャリア軸心にギヤをインポートし配列作図いたします。 複雑な構造の2段減速機をより簡単に設計でき、回転シュミレーションすることでより深く減速機構を理解することができます。
トロコイド歯車の工具歯形設計支援ソウトウェア「Trochoid_Cutter」を新発売。
トロコイド歯車の設計支援ソウトウェア「TrochoidV8/V8C/V8C1」を新発売。
トロコイド歯車の設計支援ソウトウェア V6のページへリンク。

「TrochoidV7/V7C」と「G_Design」を使って2段減速の設計を紹介します。

2段目のトロコイド減速機の設計をします。外径100mm程度、総減速比1/121の設計をします。
◾最初に「TrochoidV7」を起動して、データ入力フォームの表示。
◾2段目の減速比を1/39で設計します。
◾入力データは、右の図の内容で入力します。
◾トロコイド係数が0.7~0.8程度になるよう偏心距離を「0.8」に設定。
◾外径100mmを目指すので、ピン歯車のピッチ円直径をφ85に設定。
◾2段目の減速比を1/39にするので、ピン歯車の歯数は「40」にします。
◾差動数は、「1」。
◾ピン歯車のピンの直径は、「φ3.5」に設定。
◾キャリアピンの直径は、「φ20」に設定。
◾ギヤを3個配列する設計なので、キャリアピンの数は、「3」に設定。
◾キャリアピンのピッチ円直径は、「49」に。この半径がピニオンとギヤの中心距離になります。
◾差動歯車(トロコイド歯車)内径は、「20」に設定。
◾以下、歯形修正なしで、工具直径はとりあえず「φ2」で入力。
◾ファイルを保存して、「歯形設計」ボタンをクリックして次のデザインフォームへ移動します。

デサインフォームでの設計

デサインフォームでは、ピニオンとギヤをインポートします。
◾デサインフォームが表示されたら、「実行」ボタンをクリックして2段目の表示。
◾拡大」ボタンで適当な大きさ拡大します。右のフォームの様になります。
◾「歯車データインポート」フレーム内の「インポート」ボタンをクリックします。
◾インポートフォームが表示されます。

ピニオンとギヤのインポート

インポートフォームでは、「G_Design」で設計保存したピニオンとギヤのテキストファイルをインポートします。
◾「G_Design」で設計したピニオンの歯数とギヤの歯数を入力します。
◾次に、「インポート」ボタンをクリックするとファイルダイヤログが表示されます。
◾インポートフォームで「ピニオン」のラジオボタンを選択している場合は、ピニオンのデータテキストファイルを開きます。
◾次に、「ギヤ」のラジオボタンを選択して、「インポート」ボタンをクリックし、ギヤのデータテキストファイルを開きます。
◾インポートフォームの「作図」ボタンが有効になりますのでクリックするとピニオンとギヤが次の図のように作図されます。

2段減速機の完成

作図した減速機の回転とDXFファイルの作成などをします。
◾右の図のように、2段減速機構が作図されました。
◾ピニオンは減速機中心に、ギヤはキャリアピン中心に配列作図されます。
◾設計データ表に、減速比、回転方向、ピニオン及びギヤの歯数等が再表示されます。
◾DXF保存フレームのピニオンとギヤの項目が有効になり、DXFファイルを作成することができます。
◾「回転速度」フレームでピニオンの回転角度を設定して、減速機を回転シュミレーションすることができます。

「G_Design」でピニオンとギヤの設計

1段目のインボリュート歯形の減速機の設計をします。モジュール「1」、減速比1/3で設計をします。
◾最初に、「G_Design」を起動して、データ入力フォームの表示。
◾減速比を1/3で設計します。
◾入力データは、右の図の内容で入力します。
◾中心距離を入力して転位係数を計算する方法を選択します。
◾1/3になるようにピニオンの歯数を12枚、ギヤを36枚に設計します。
◾圧力角は、「20゜」で入力します。
◾法線バックラッシは、「0」で入力します。
◾歯たけ係数はデフォルトのままにします。
◾歯先Rと工具Rは、「0.1」で入力します。
◾データを全て入力したら、「計算実行」ボタンをクリックします。
◾「中心距離を入力して転位係数」フォームが表示されます。
◾中心距離にキャリアピンのピッチ円直径の半径「24.5」を入力して転位計算します。
◾ピニオンの転位係数を「0.3」にして入力フォームに戻ります。

ピニオンとギヤの歯形テキストデータ保存

1段目の歯車対の作図と歯形データをテキストファイルに保存します。
◾デザインフォームが表示されたら実行ボタンをクリックして、図を適当な大きさに拡大します。
◾ピニオンとギヤの歯形を確認して問題なければ歯形を保存します。
◾歯形データ出力フレームの「NCデータ選択」で「小歯車一歯」を選択し名前を付けて、ファイル保存します。
◾同様に、「大歯車一歯」を選択し名前を付けて、ファイル保存します。
◾以上で終了です。
「G_Design」の他に、「HG_Design」、「GR_Design」、「PL_Design」でも同様の設計ができます。

DXFファイルの保存

トロコイド歯車DXF図 ピニオンDXF図 ギヤDXF図 組立DXF図

各種歯形設計例

1枚歯差動エピトロコイド 3枚歯差動エピトロコイド 1枚歯差動ハイポトロコイド 3枚歯差動ハイポトロコイド

DXFファイルから3D作成例 (別途3次元CADが必要です。)

1枚歯差動エピトロコイド 3枚歯差動エピトロコイド 2段減速機 1段ピニオン

「TrochoidV7C」 面圧強度計算フォームと計算結果の印刷

「TrochoidV7C」 面圧強度計算テキスト保存と計算結果詳細テキスト保存

「TrochoidV8/V8C」と「TrochoidV7/V7C」機能比較

機能比較 TrochoidV7 TrochoidV7C TrochoidV6 TrochoidV6C
多条差動トロコイド歯車の外径処理
2段減速機構の設計
ピニオンとギヤのインポート
トロコイド歯車の面圧強度計算
強度計算結果の印刷
強度計算結果のテキストファイル保存
強度計算の詳細テキスト保存